向井さん、京都はいいですよね。私も、秋の色づく古都に行ってきました・・。
2年前の夏に、「闘茶」という魅力的な題名をもつ映画の企画案が、台湾から送られてきました。それから、ワン・イェミン監督が日本にやってきて、幾度も脚本改訂を重ね、今秋とうとうクランクインを迎えることができました。主演の香川照之さん、戸田恵梨香さんも準備が整うまで、よく待ってくれました。
まず京都で1週間、それから台北に移って1ヶ月ほどロケーションが続きます。現場では、スタッフの喋る中国語、日本語、英語が入り乱れています。監督は台湾人、出演者は日本人。撮影は香港人、照明は日本人、録音は台湾人、美術、衣装、メイクは日本人。最初はぎくしゃくした雰囲気もありましたが、徐々に笑顔が増えてきました。みんな、共通語としてのエイガを理解できるからです。
お茶といえば、だいたいは千利休に代表される茶道、禅宗に裏打ちされた日本人の精神、文化を想像するのではないでしょうか。しかし、この映画は「闘うお茶」です。親子の絆があり、宿命的な恋愛があります。アクションもロマンスもあります。台北では、あっと驚く台湾の人気俳優が待機しています。どんな映画ができあがっていくか、ほんとうに楽しみです。
春藤忠温