9月27日に公開される映画「コドモのコドモ」のノベライズを、原作、完成した映画、脚本をベースに書かせていただきました。
小説と呼べるものには程遠いかもしれませんが、この作品ともう一度、はじめから向き合うことができました。
初めてのことへ向かうというのは、経験から比較したり、方法を変換したりできなくて、頭も身体もフル稼働です。
そんな視点も持ち合わせながら、物事に対峙できたらよいのですが、慣れていくことで長生きすることもできるのかもしれません。
その点コドモの頃は、不慣れなことの連続のなか、日々感覚と身体を研ぎ澄まして生きていたように思います。
映画館を出ると、街が、色んなものが、今までと違ったもののように目に映ることがあります。
コドモの頃の目を取り戻したように世界を眺められる映画があります。
『コドモのコドモ』を観終わって、世界を、新しい生まれたばかりのような眼差しで眺めていただけたなら、と思います。
宮下和雅子