先週、秋田県能代市にて『コドモのコドモ』の完成披露試写がとりおこなわれました。今回の能代は一年前のクランクイン時とはぜんぜん違って半袖だと肌寒さを覚えるくらいの気候で思わずジャスコへ走り長袖Tシャツを買いに行く羽目に。
当日8月23日、土曜の昼過ぎという事もあってか能代文化会館は400名ほどの観客で埋まり、そこには5年2組のコドモ達の姿などもチラホラ見えました。また母子という組み合わせが多かったのも印象的でした。舞台挨拶の後、映画が始まると日常よく馴染んでいるであろう風景や学校にざわざわ、また保護者会や街角、教室など自分らの出演場面などになるとよりダイレクトに反応、会場はその都度ざわざわわさわさし始め一種の集団的オーディオ・コメンタリー状態がしばし続いていったものです。途中ブタマン等で笑いをとりつつ、次第に物語の世界へと入り込んでいったような次第で、終盤、生まれたばかりの赤ちゃんの可憐な表情を大画面で見て、ほーっ・・というひそやかな歓声がどちらからともなく漏れてくるさまはこの映画の感動の内実がどこにあるのかを告げてくれているようで大変示唆的でした。実際この映画に出演した赤ちゃんも会場のどこかにいたらしく、ときどきその泣き声がきこえてきたのも不思議といえば不思議な感覚でした。
上映環境としては観客席後方に映写機を設置している関係上、映写機のカチャカチャという廻転音も聞こえるなかでの鑑賞となり、自主映画的な手作り感のなか、東京などでの試写では味わえない類いの親密さに包まれたいきます。実際僕自身この試写においては割と素直に出産シーンで感動することができたのです。市長や教育長をはじめとする市の関係者の方々にも非常に気に入ってもらえたようですし、試写にお越しいただいた観客の皆様もすんなりと映画に入り込めたのではなかったかと思います。とにかく見てみないとなんともいえない映画であることは間違いないところです。
前日のべらぼう、当日の金勇、わかば亭での食の豊穣さも含め愉しい能代滞在でした。おかげでちょっと太りましたけど・・。
根岸洋之